身幅の広い着物の着方
身幅が広すぎる着物を着るのって本当に大変ですよね。
裾を決める時に手が届かなかったり、
全体的にダボダボした着姿になったり、
脇肉がはみ出てきたり…
着るのが大変な上に着姿がビシッと決まりません。
私が開催している「咲季式オンライン着付け教室」でも、小柄な方は特にこのような悩みを抱えていますね。
ある程度大きいくらいでしたら、着付けでカバーできます。
確かに大変なんですけど、練習を積めば必ずできるようになります。
その方法については、動画を撮りましたのでぜひご覧ください。
でも、着物のサイズをお直しすることを勧める場合もありますね。
直すのはお金がかかるし、着付けでなんとかなるならなんとかしてあげたい。
そう思ってはいるのですが、着付けではどうにもならないこともあります。
対面で教室を開催していた時、こんな生徒さんがいました。
とても細身な40代の方です。
身長は163くらいで腕が長く、「いつも裄が合わないんだよね」とおっしゃっていました。
そんな彼女がある日、笑顔で教室にやってきました。
「先生、リサイクルですごく気に入った柄を見つけたんです!しかも裄もぴったり!」
私も「よかったですね〜」なんて言ってたのですが、ちょっと不安がよぎりました。
裄が長いということは、着物の構造上その分身幅も広い可能性が高いからです。
その不安は見事に的中しました。
いざその着物で練習をしたら身幅が余って余って、裾が決められないんです。
アップした動画のように上前を優先的に決めたら、なんと背中心が右脇まできちゃったんですよ。
わかります?
本来なら背中の中心にあるはずの線が右脇まで来ちゃうって…
ちょっと衝撃でしたね。
さすがに、下前の巻き込みが多すぎるし、今日の動画のように折り返すにしても折り返す量が多すぎて、、
「これは無理だね・・・。」
という結論に至りました。
その後、悉皆屋さんと相談をしていい感じに仕立て直してもらったそうです。
さすがにここまで合わないのは稀だと思いますが、もしこういう着物をお持ちでしたらお直しをしましょう。
さて、ちょっと話が逸れました。
では、身幅の広い着物を着る方法をご紹介します。
特に難しいのは、裾ですよね。
裾を決めるときのポイントはこちらです。
・上前の左右のバランスをとる
・下前を持つ手を手繰り寄せる
・下前を合わせるときに少し折り返す
身幅の大きい着物は生地をうまく引っ張れず、全体的にシワシワのダボダボになりやすいです。
なので、生地をしっかりピンと張って裾を決めるように意識してください。
そのために、下前を持つ手を手繰り寄せて持ちやすいところで持つ。
ということが大事になります。
上半身のポイントはこちらです。
・シワをしっかり脇に寄せてタックをとる
・脇肉に見える生地を下に引く
脇肉はどうしても、どうしてもできやすいです。
それでもできるだけ減らせるようにこの2つのポイントをしっかりおさえましょう。
着付けをやったことがある方からすると当たり前のポイントかもしれません。
「そんなことわかってる。もっと裏技みたいなのが知りたい」そう思われた人もいるかもしれないです。
でも、こういう当たり前の事ができていないからダボっとなるんですよね
今回の動画をしっかりご覧いただいてぜひ練習をしてみてくださいね。